プログラム

日時:2025年 6月 28日(土) 13:00-15:30 オンライン

第1部(13:00~13:30):学生部門 口頭発表

『運動学習における目標位置と到達位置の誤差の二次元的ダイナミクス』

 松田凌汰(法政大学大学院法政大学大学院スポーツ健康学研究科)

 

第2部(13:30~15:30):シンポジウム

『スポーツバイオメカニクスから考える投動作の正確性』

 司会:稲葉優希(国立スポーツ科学センター)

・再現性と協調性からみる投動作の熟練技能

  木村新(法政大学)

・運動結果のばらつきを最小化する最適性・協調性

  中野信康(CiNet、学振PD)

・投動作の正確性に関わる運動制御戦略

  那須大毅(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)

・リリースパラメータのばらつきの個別性を考慮した投射シミュレーション

 実践現場への応用を目指して

  村田 宗紀(東洋大学)

 

シンポジウム趣旨

スポーツバイオメカニクスは、アスリートがみせる難度が高いあるいは高度に洗練された動きの仕組みを力学的な手法を用いて明らかにしていく分野です。これまでのスポーツバイオメカニクス研究の多くは、「より速く、より高く、より強く」をモットーに、力や速度などをいかにして大きくするかに念頭が置かれてきました。一方、スポーツ場面では、より大きな力や速度を生み出すことでパフォーマンスの最大値を高めることだけではなく、安定して高いパフォーマンスを発揮するといったパフォーマンスの正確性や精度といったものも要求されます。本シンポジウムではスポーツ動作の中でもとりわけ投動作を対象に、パフォーマンスの正確性や精度に関する最新の研究成果についてご講演いただき、研究者の発表と議論を通じて新たなスポーツバイオメカニクス研究の発展へとつなげていきたいと考えています。

 

シンポジスト

木村新(法政大学)

東京大学にて博士号を取得したのち、国立スポーツ科学センター研究員を経て、現在は法政大学スポーツ健康学部の専任講師を務めている。これまで、投動作における速度向上についてエネルギーの観点から下肢や体幹の役割を調べるとともに、投動作における精確性や再現性を高めるための動作の協調について研究を行ってきた。

中野信康(CiNet、学振PD)

東京大学スポーツバイオメカニクス研究室にて博士号を取得し、産業技術総合研究所人間拡張研究センターを経て、現在は情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター(CiNet)にて日本学術振興会特別研究員PDを務めている。これまでバスケットボールのシュートを対象に運動のばらつきを最小化する機序について研究を行ってきた。最近では運動精度を向上するために効果的な介入方法や運動記憶の形成機序に興味がある。

那須大毅(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)

大阪大学にて博士号を取得したのち、立命館大学講師を経て、現在はNTT コミュニケーション科学基礎研究所に勤務している。これまで、ダーツ投げや野球投球における正確性に関わる運動制御・運動戦略についての研究を行ってきた。近年では、認知神経科学からみた野球・ソフトボール打撃におけるVRの活用や打者の知覚錯覚についても研究を行っている。

村田 宗紀(東洋大学)

筑波大学にて博士号を取得したのち、国立スポーツ科学センター研究員、鹿屋体育大学特任助教および体育学部専任講師を経て、現在は東洋大学健康スポーツ科学部の専任講師を務めている。上肢スウィング動作を中心とした様々な動作を対象に、機序の解明やパフォーマンスとの関連を研究している。その一環として、バスケットシューティングについてリリースパラメーターのばらつきの個人特性を考慮したシミュレーションを行っている。